わたしはみんなに殺された2〜贖罪の時〜




陽くんは今まで…私の前で良い子を演じてたんだ。


暗い過去を隠して。



こんな態度なんだもん、反省すらしてないんだろうね。




結菜ちゃんと愛菜ちゃんは?



何か知ってた?知ってて隠してた?



それとも…2人も共犯者なの?



何をしたのかは知らないけど。


その復讐で『殺しにきたに決まってる』くらい酷いことをしたんだよね?



だって普通、ちょっとやそっとじゃそんな恨みにならないよ。






『もし、愛菜に会ったら……』



ふと、愛菜ちゃんに会う前に結菜ちゃんが言いかけた言葉を思い出す。



…あれ、なんだったんだろう。


もしかして…これに関係することを言おうとしてたの?




…結菜ちゃんに聞かなきゃ。



陽くんに聞くより話してくれそうだし。


というかむしろ、一分一秒でもこの人と一緒にいたくなくて。



何も言う気配のない陽くんに見切りをつける。



「もういいよ」


「あっ、おい、どこに行くんだよ!」


「私の勝手でしょ。ついてこないで」


「何言ってんだよ。殺されるかもしれないんだぞ?
1人より、2人でいた方が…」


「陽くんと一緒にいたくないって言ってるの。わからない?」


「なっ……!」


「陽くんも早くここ離れた方がいいと思うよ。
今の会話、声大きかったし。〈あの子〉来るかもね?」



絶句した陽くんを置いて、そう言い残して教室を出る。




…あぁ、私も。みんなの前で良い子を演じてたかもしれないな。


私、本当はこうやって結構ハッキリ物を言うタイプだもん。




ムカムカした気分のまま、あたりを見回す。




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