わたしはみんなに殺された2〜贖罪の時〜




「ってか、聞いたか!?
隣の学校の、2回目の行方不明事件の結果!」


「はぁ?
隣の…って、あぁ、デッドカースとか呼ばれてる事件のことだよね?
何、陽、そんなのに興味あったんだ?」



少し興奮ぎみに声を張り上げた陽くんに、結菜ちゃんが首をかしげる。


最近は、関係のないこの学校でもこの話題で持ちきりらしい。


らしいと言うのも、私が転校してきた時にはもうすでに持ちきりだったから、最近とかよくわからないんだよね。



「まぁな。
それがさ、7人のうちの3人が帰ってきてたんだってよ!!」


「えっ。
それじゃあ犯人もすぐに捕まるかなぁ?」


「いや…それが、3人とも記憶がないらしい。
というか、曖昧?になってるっぽい」


「記憶が曖昧に…?」


「そうそう。
一緒に行方不明になったのは8人だとか言ってるらしいけど、本当は7人だしなぁ」


「ふぅん…そうなんだ。

あ、ねぇ、隣の学校っていったら、私と入れ違いで転校しちゃったって言う黒田くんって人が転校したところだよね?」



何気なく私がそう言った瞬間、私以外の3人の足が一瞬だけ止まった気がした。



「ん?あれ、どうかしたの?」


「……ううん、どうもしてないよ?

ただ、学年が違うから…よく知らなくて」


「そうそう。
黒田狛は私たちの1つ上だからね」



前も言ったけど、と付け足す結菜ちゃん。



確かに前にもそれは聞いたんだけど…。



どこかおかしい気がした…なんて、考えすぎだよね。



「あぁ!そう言えば今日来る転校生、俺らのクラスに来るってさ!」



少し嫌な空気が流れようとした瞬間、陽くんが思い付いたように大きな声でそう言った。



正直、話題がそれてホッとする。



なんでかはよくわからないけど…。



なんだか、触れてはいけない気がした。




「男かな?女かな?
イケメンだったら嬉しいなぁ。
楽しみ!」


「あは、結菜っていっつもそう。
外見よりも中身だよね~、舞ちゃん?」


「え、じゃあ俺は?
俺イケメン?」


「陽は…ごめん微妙すぎてわかんない」


「はぁ!?なんだよそれっ」


「愛菜ちゃんと結菜ちゃんは小さい頃から一緒にいたからじゃない?
私は陽くんカッコいいと思うよ~」


「………おぉ…天使がいる……」


「舞ちゃん!陽くんを甘やかしちゃダメだよ!」


「愛菜お母さんみたーい」


「愛菜ちゃんいいお母さんになりそうだよね~」



なんて、冗談混じりの会話をしながら教室へ向かう。



転校生、私も含めて二人とも同じクラスに入れるなんて。



そういうものなのかな?



他のクラスと人数は同じくらいなのに…偏ってるなあ。




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