君はいつも哀しそうで
「なんでそんなに哀しい?
なにがそんなに悲しいんだよ」
「何が哀しいのかわからないの」
「悲しむ必要なんてない」
「そうかな?」
「可哀想だと悲観する奴らをそんなことしか言えないんだなって
哀れんでやればいい」
「…。」
「そういう目しかできない奴らの方がよっぽど可哀想だ」
「私ね」
「…」
「美夜じゃない」
「美音(みおん)っていうの」
「…ん」
「龍喜にだけは知ってて欲しい」
「ん」
「龍喜なら解ってくれる?」
「わかりたいけどわからないかもしんない
でも、わからないかもしれないが、知る…
わかる努力をする」
「…それで十分だよ」
「あぁ」
「ありがとう」