君はいつも哀しそうで
「なんでもねぇ…」
そんな自分の声に気づかれたくなくて何も言わない
それを分かっているのか分かっていないのか
「そっか」
その一言だけ
言ってみればドライなのかもしれない
でも、人の小さな変化に気づくみーは決してそんなことはないのであろう
こんな関係性が今はちょうどいい
あまり急に近づきすぎてもいろいろ大変だ
教室に着くと席が離れているから自動的にみーとは離れていく
そして、同時に近づく奴がいる
「おはよー美夜」
こんなに生徒でごった返しているのに挨拶までも聞こえてしまう
話しているのはとてもたわいもない話
話を聞いているだけで親しいことは伝わってくる
だけど、
みーはあいつに美夜、と呼ばれている
本名を明かしていないのか、
明かしているが呼ばせないのか
まあ、確かに美夜に向かって美音と呼ぶのはおかしいか…
でも、みー
そう呼ばせてはいないことが分かっただけで俺は十分だった