君はいつも哀しそうで


教室を出て廊下を進み、右の突き当たりにある階段を上がる

ここは3階なので上がればすぐ屋上の扉が見えてくる


少し錆び付いたドアがキィィ…と情けない音をたてて開く



「あー、やっと来た!もうお腹空いちゃったじゃん早く早く!!」

どこまでも自分中心で世界は回ってるらしい颯は、どこまでも素ならマイペースだ

「はいはい…」


呆れながら返事をし月唯の隣まで行って座る

その俺の隣に腰を下ろすみー

それを見届けた颯が


「ではでは、皆さん手を合わせましょう!いっただっきまーす♪」

恒例の挨拶
俺らがご飯を食べる時はいつだってそう
いただきますの挨拶は欠かさない


みーも小さく「いただきます」と言ってから食べ始めた

こんな見てくれの悪い高校3年生が、しかも男がいただきますの挨拶をするのを見て何事もなかったように食べている

まあ、悪いことしてるわけじゃねーからいいんだけど


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