君はいつも哀しそうで


「そーいやさぁ、美夜ちゃんって仲いいよね。なんだっけ…あの人!いっつも一緒の……」


「あ、哲?」


「そうそう!幼なじみなんだよね?」
疑問が解消されたのか笑顔が戻る

「そうだよ。幼稚園から一緒なの」


意外な新事実発覚

「ずっと一緒なの?すごいね俺らみたい」
すかさず合いの手を入れる月唯



「ほーんと!僕らもね、てか、るーくんとりゅうちゃんが小学校からで、僕は中学からなんだ~!!」

俺らの話ができるのが嬉しいのか
「そうなんだね」
頷いてちゃんと聞いてくれるみーが嬉しいのかさっきから話しかしてない


全然減ってねーし弁当


話してる颯が減らないのはわかるけど、話聞いてるみーの弁当も減ってない

…別に、食べながら聞けばいいのに

そういうところも律儀なみーの性格が出ている



「弁当」

急に言葉を発した俺が不思議だったのか
3人の視線が俺に向けられる



「どしたの?たつ」

別にどうしたってことは無いけど
「…弁当、みーの減ってない」


それで理解したらしい3人

「あぁ私のこと。ごめんごめん、話聞くのに夢中で」

「わぁ!?ごめんね僕が喋りすぎちゃって」


慌てだす颯

馬鹿みたいに謝り倒す姿に
「大丈夫だよ、食べるから
でも、

もっとみんなの話聞きたい」


優しく笑ってそう言ってくれたみーにぱぁっと明るくなる顔

そしてまた話し始める颯がいきいきしていて
俺と月唯は顔を見合わせてフッ、と笑った



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