君はいつも哀しそうで
颯の言葉を聞いて少し考え込んだみー
かと思えば、覚悟を決めたような顔で颯に向き直った
「私ね、美夜っていう名前じゃないの」
驚きか颯がぱっと顔を上げるそして、同時に月唯も気になったのか颯とみーの方を見た
「美夜っていうのは偽名で本当は美音っていうの。」
優しく小さな子どもに言い聞かせるように
「みお…?」
「そう。美音だから、大切な人には美夜って呼んで欲しくなくて…
でも、颯夜と月唯には言うタイミングが…ごめんね?」
申し訳なさそうに眉を下げる
本心から出てる言葉なんだろう
「…ううん。いいの。…僕もごめんね?
嫌になったでしょ、僕こんなんだから」
テンションダダ下がり
自分が悪いと言い出す始末
はぁ
気づかれないように小さくため息をついた
でもこれはめんどくさいっていうため息じゃなくて
「颯」
少し離れてフェンスにもたれていた俺は颯に目を向け近づいていく