君はいつも哀しそうで


ふっ、と表情を緩めた隆
それに対して苛立ちを覚え薄く睨む

「…なんだよ」

不機嫌ですって言っているような低い声



それを聞いてか、ますます嬉しそうに頬を緩める






きも…

「顔に出てんだよ!きもってなんだ」


どう考えてもお前が悪い
ふっ、と鼻で笑ってやった

「…はぁ、まあいいわ
で、結論から行くと今日潰しに行く組覚えてっか?」


急に真面目なトーンに入った隆にほどほど呆れながら答える

「は?何言ってんだよ。“山代組”だろ?」

バカにすんなとでもいう態度で隆に聞き返す
こんな事で不機嫌になる辺り、俺もまだまだガキだ


「そう、正解。」

…やっぱなめてんのかこいつ


「羽紫の社長が手を組んでる所の親玉が山代組だ」




へぇ
おもしろいことになってんじゃん


「山代組の傘下の組と颯の親父さんは繋がってんのか?
なら、親叩けば自然と切れるって訳か」

口角が上がるのを止められず、そのまま煙草に火をつける




「今夜は腕が鳴るな。龍喜」


「あぁ」














やっと片付けられる

待ってろよ颯

今日で終わりにしてやるからな




< 39 / 104 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop