君はいつも哀しそうで
ふっ、と表情を緩めた隆
それに対して苛立ちを覚え薄く睨む
「…なんだよ」
不機嫌ですって言っているような低い声
それを聞いてか、ますます嬉しそうに頬を緩める
きも…
「顔に出てんだよ!きもってなんだ」
どう考えてもお前が悪い
ふっ、と鼻で笑ってやった
「…はぁ、まあいいわ
で、結論から行くと今日潰しに行く組覚えてっか?」
急に真面目なトーンに入った隆にほどほど呆れながら答える
「は?何言ってんだよ。“山代組”だろ?」
バカにすんなとでもいう態度で隆に聞き返す
こんな事で不機嫌になる辺り、俺もまだまだガキだ
「そう、正解。」
…やっぱなめてんのかこいつ
「羽紫の社長が手を組んでる所の親玉が山代組だ」
へぇ
おもしろいことになってんじゃん
「山代組の傘下の組と颯の親父さんは繋がってんのか?
なら、親叩けば自然と切れるって訳か」
口角が上がるのを止められず、そのまま煙草に火をつける
「今夜は腕が鳴るな。龍喜」
「あぁ」
やっと片付けられる
待ってろよ颯
今日で終わりにしてやるからな