君はいつも哀しそうで
颯夜
今朝は清々しいほどの青空の広がる朝だった
そんな空に似つかわしい笑顔が目の前にあった
「おっはよー!りゅうちゃん
昨日寝た?寝てないでしょー!」
おはようの挨拶の時は嬉しそうな顔してたくせに寝てないでしょー?の時は頬を若干ふくらませ不貞腐れている
…なんだコイツ
「…んだよ」
相手するのも話するのも…一緒か
まぁ、どっちも面倒臭い
「んだよ
、はないでしょー!?」
現に、とかなんとか言って騒いでる
それに
「なんで俺の家の最寄り駅にいんだよ」
そう。
いつもなら合流するのは学校の最寄り駅から学校までの間
朝っぱらから待ち伏せされる理由はない
が、
「えー?!なんでなんで、だって
僕のお父さんのこと。昨日緒方組が動いたんでしょ!!!」
あ、
そうだった
「…親父さん」
「え?」と首をかしげ尋ねてくる
「どうなった…」
あぁ~と納得したように笑顔になって
「おかげでやばい奴らとの関係は切れたみたい。
相手の奴らも自分とこの親玉が潰れてそれどころじゃないだろうしね」
「そうか」
良かった。
どんな形であろうと手が切れたのならもう心配はないだろう
そう思いつつ、俺のそっけない返事に不満なのか颯が顔を顰めて
「そうかってなにさ!りゅうちゃんは僕たち家族を救ってくれたんだよ!!
もう少し誇らしくしてもいいのに…」