君はいつも哀しそうで



「おまたせ」

そう言って戻ってきた月唯はこれから兄貴たちに会うためかこころなしか不安を醸し出していた


「さんきゅ。なあ、月唯…怖いか?」



少し動揺を浮かべ目を開く

返す言葉に困っているのか言葉を選んでいるだけなのか


心地悪い間が続く


「…いや、怖くはないけど。でも、不安ではあるかな」

苦笑いで返してきた言葉に月唯の複雑な感情が蔓のように絡みつく



「そうか。」
まあそうだろう。今まで自分の手に負えなかった兄貴たちだ

それに従わざるをえない存在



それが兄弟という絶対的存在で



どんな風に扱われどんな風に脅されたのかは知らない

だとしても、月唯が俺以外の誰にもこの話をしていないと言うことはそれだけ


周りにばらした時の代償が大きいのだろうと予想できる

誰よりも友達・仲間・大切な人を一番に考えている月唯だから余計と脅されれば手も足も出ない



だから俺が月唯を楽にしてやりたい









「大丈夫だ」










もうすぐ時計の針が6時を指す
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