君はいつも哀しそうで


ガチャ…


バタンーーー




ダンダンっと響く複数の足音

どうやら兄貴2人だけではないらしい



まあ、それは予想していた
俺も月唯も焦ることなくこの部屋にこれから来るであろう奴らを待っていた



トントンーー

「月唯ー、居るだろ。あけるぞ」

一応人の部屋に入る時はノックできるらしい


ドアノブが回り扉が開く…待っていたのは不気味にほくそ笑んでいる月唯の兄貴だった



「…」

どちらも声を発さず目を見ている

さっきまでの余裕の笑も消え、そいつらふたりの顔には驚きの色が映る




「…龍喜か?」

第一声は長男 月斗(ると)
黒髪短髪の見た目だけは爽やかな青年に見える兄


気づいたか
「はい。お久しぶりです月斗さん、月季さん」


「あぁ、龍喜か。久しぶりだな」

そして2人目の兄次男 月季(るき)
ダークブラウンに染めた髪は短髪だが軽くセットされている見た目通り中身も今どきの一部の若者のようにチャラい


安堵が2人の目に見えて思わず笑いそうになる

昔からわかりやすい人達だった



でも、前からこんな奴らではなかった
なんせ警察官になりたいという夢を描くくらいだから

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