君はいつも哀しそうで
ーーーテストをなんなく終了させ一日が終わる
今日はこれで学校が終了のため、みな様々に連れ立って帰っていく
そんな情景を横目に彼女の席へと顔を向ける
いつも通り窓の外に向けられていた
でも、違うのは2つ
朝は居なかった男が一人…風間哲斗(かざま てつと)
それがあいつ、幼なじみの名前
彼女は基本風間と一緒にいる
風間となら話をするし、少し表情も変わる
それだけであいつが彼女にとって特別なんだとわかる
しばらく見ていて自分自身どんな顔をしているのかわからなかった
「りゅうちゃん顔怖いよー?」
なんて気の抜けた言葉で現実に引き戻される
「…なに」
正直邪魔が入ってちょっとイラついた
「なに、じゃないよ!うちのクール王子は…ったく。
今日夏織琉さんとこ寄ってこ〜!!」
颯に呆れ気味に言われた“クール王子”
この学校の奴らは俺のことをそう呼ぶ
俺は断固として認めてないが
「ねぇ、行くでしょ?かーおーるーさんのおーみーせ!!!」
どうせ嫌だっつっても連れていかれるのは目に見えている
小さくため息をついた
「あぁ、行く」
だが、転機が訪れた