君はいつも哀しそうで
第四章。
変化
あれから数日後。
お昼にいつもみーのところへ来ていた男が今日も来ていた
みーに聞いた“幼なじみ”だということ
それが妙に気になって口出しはしないものの横目でその姿を観察していた
戸川 哲樹(とがわ てつき)
俺らとタメで隣のクラス
部活はバスケ部
最近気づいたが、頭がいいらしい
学年順位はいつも5位以内
顔もいいせいかそこそこ人気がある
それも男女両方から
絵に書いたように出来た人間だ
みーの幼なじみ
仲は良いんだろう
哲、と呼ぶくらいだから
でも、みーは“美音”とは呼ばせない
戸川は美夜と呼ぶ
みーのことを知っているのか
本当のことを言っていないのか
弱い俺は目の前にある線を超えれない