君はいつも哀しそうで


まだ、3人とも虎に入る前
(ちなみに、総長 龍喜・副長 月唯・副長補佐 颯夜)


俺達はそれぞれがそれぞれの理由でグレていた



馬鹿みたいに同級生に喧嘩をふっかけ、馬鹿みたいに突っかかってくる人間を片っ端から相手した


ストレス発散になるわけでもなく、

ただただ目の前の人間を殴る

その事実に

優越感に浸っていた



その日はちょうど相手をしていた人間が途切れたところだった


夜も夜、深夜中学生がうろつく時間帯じゃない

でも、大人びた容姿のせいだろうか

声をかけてくる大人なんていない
それどころか喧嘩している輩に話しかける人間なんかいるわけないし



「…おいおい、やり過ぎだろたつ。」

俺のことをいつもとやかく言うが月唯だって俺の比じゃない


「お前に言われたかねーよ」


「え?たつより加減してるつもりだよ」

気味の悪いくらい普通の笑顔で返してくる



「つもり、だろ」





溜め息をひとつついた

それがいけなかった


「あー!りゅうちゃん溜め息ついたー!!
溜め息は幸せが逃げてくんだよ。知らないのー?」

うるさい



小学生のガキみたいな面して目の前の大男を殴り倒す

一番俺らの中で運動神経がいい颯


いつだって余裕の笑だ





そんな夜に会った


「楽しそうだね。混ぜて?」
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