君はいつも哀しそうで
「私は、みーだよ。」
この人は俺らをおちょくっているのだろうか。
大体、こんなバカ3人に話しかけてくる人も話しかけてくる人だ。
「…じゃあ」
関わらない方がいい
何故か本能がそう伝えた
だから足早にその場を逃げようとしたのに
思わぬ強敵だった
「えー!待ってよ。ちょっとくらい相手してよ、ね?」
言っていることと声のトーンと
テンションが全然噛み合っていない
なんせこの人は台詞を読まされているかのような棒読みで言ってくる
馬鹿にしているとしか思えない
「俺ら用事あるんで」
今度こそ有無を言わせない声色で放った言葉と共にそこから立ち去ろうとしたのに
ーータッ
バチン…ーーー
「…逃げんの?」
まるで猫のような速さで俺の背後から頭に一発ブチかまそうとしたこの人
まるで獲物を狩るまで逃がさないというように生き生きとした声
「名前…聞いてもいいか?」
とっさに出た言葉なんて馬鹿みたいな言葉ばかりだった
その楽しそうな笑顔にもう離れられなくなっていた
「だから、私はみー。よろしくね!」
その人はみーと言った