君はいつも哀しそうで


そのまま声を発することを忘れたかのように俺は無言で昼飯を食べていた




「みーちゃんってもしかして梅雨生まれ?だから雨が好きなのー?」


颯は食べ終わって暇を持て余していた

「うん。6月生まれだよ」


ドクンっと心臓が返事をした




「へぇー!じゃあさぁー、血液型はー?」


「B型」

ドクンドクン、と今度は2回波打った





「えー!じゃあさじゃあさ、好きな色は?」


「黄色」

ーガシャン!!




「どうした?たつ」

片付けていた弁当箱を突然落としてしまった俺を不審に思ったのか声をかけてきた


あまりなも似すぎていたから


あまりにもそっくりだったから


少し…いや、かなり動揺してしまっていた





小さな手の震えを隠すかのように弁当箱を拾った


< 85 / 104 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop