君はいつも哀しそうで


「…なんだよ。わかったから怒んなって!
そんなに大事な子なんだ~?」



「知り合いだ」



「ふーん…」


まだ何か言いたそうだったが、龍喜に殴られるのは嫌なのでしぶしぶ引き下がった



再び訪れるいつも通りのゆるい空気

颯と珀が話しているが
他は自由にくつろいでいて

今日も何もなく終わると思っていた



「そういやさぁ、そのみーって子なんだけど、」


あからさまなため息を吐きながら龍喜は律儀に応える


「まだなんかあんのか」



「いや、その子と話してる時に電話来てさ俺。ゆうとくんからだったんだけどね。
龍にも連絡来たろ?それ俺が龍にも伝えとけって言ったんだけど。」

「… 」


「龍って言った瞬間その子ピクってあからさまに反応したんだよね。
その後しばらく考え込んでる様子だったけどさ、すぐどっか行っちゃって。結局それきりなんだけど」


「…」


「やっぱ龍の事だったんじゃね?
知り合いなんだしさぁ。
何?その子になんかしたの?」




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