君はいつも哀しそうで



学校の正門を潜ると真っ直ぐ目の前が生徒玄関


その左側が来客用、職員用の玄関
そしてその隣に職員室がある

ザワザワとしていたのはその職員室の前
外には登校してきた生徒がたむろしていた




「どーしたんだろーねー?
ちょっと見てくるね。みんなは先教室行っといてよ」

言うなり颯は駆け足で人だかりに入っていった


学校でも人当たりのいい颯は友達や知り合いが多い

こういう事は颯に任せるのが妥当だ

















「おっまったせー!」

しばらくして教室に姿を見せた颯

俺らの席まで来ると報告した



「今朝、一番に来た教師が発見したらしいんだけど。
職員室の窓が割れてて、職員室内に石と紙がその石に引っ付いてたらしいんだけど、落ちてて、多分投げ込まれたんだって。」


「それだけならいいんだけどね、さっきは生徒がごった返していたから気が付かなかったけど、近づいて見てみたら割れた窓の下の壁に赤いスプレーで“1”って書かれてたんだよね。」


「1?
それだけ?」


「うん。だから~みんなもカウントダウンだ!とか、なにかのメッセージじゃないか、とか言ってるし。
酷いのとかこれが犯人を示す数字なんじゃないかって噂が飛び交ってたよ。」


「…でたのか」



「それがさぁ、友達がいたから話聞いたんだけど、投げ込まれた石に付いてた紙になにか書いてあるらしくて。
でもそれは教師が持ってっちゃってるから中身は誰も知らなかったよ。
まあ、第一発見者が教師だからしょうがないんだけど。」


颯の話を聞きながら考え込む

投げ込まれた石
割れた窓の下に、1の数字

違和感を覚えた


「どっかで見た気がする…」

その言葉にみーが反応した



「たつも?
私も知ってる気がするんだけど、思い出せなくて」


「二人とも覚えがあるんだね?で、俺と颯は知らない。」







月唯と颯が知らなくて

俺とみーが知ってること






組関係か…










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