君はいつも哀しそうで
学校で颯と月唯と分かれたあと
その足でみーの家に向かった
ー
ーー
ーーー
みーの家、香月組
あまり表立ったはなしではないが、
裏で緒方に手を貸してくれている組だ
そのことを知ったのはつい最近
みーの家に上がると鞄を一旦、みーの部屋に置いて、ふたりである場所に向かった
みーの親父さんの部屋
…香月組組長の部屋
「…お父さん。今いい?」
部屋のドアの前でみーが声をかける
みーの父親であることに加え、香月組の組長
全く緊張しないわけではない
俺も人間だ
「いいぞ」
そんな中明るめの声が聞こえてきて
みーはすぐにドアを開けた
「お父さん、ちょっと調べ物がしたくて。資料室の鍵貸して?」
部屋に入るとパソコンに向かっている姿があった
…なるほど、みーには似てないが美形であることは確かだ
そらこんな娘が生まれるわってくらいに整った落ち着いた顔立ち
組長の顔をするでもなく、親の顔をしていた
きっとみーの前では親の顔しか見せないのだろうと思う
「調べ物?別に構わんが、なにか気になることでもあったのか?…っていらっしゃい!龍喜くん。
俺のことは覚えてるか?」