優しい上司の裏の顔〜ツンデレ女子を溺愛中〜(おまけ完)
たくさんの人に見守られながら、仕事をこなしていると、内線が鳴って、それに出た。

「…海外事業部、有藤です」
『…体調は?』

少し怒ったような声。…無理もない。

「…点滴もうってもらいましたから、今は、元気ですよ…新條社長」

『…運転手に、家に帰れと言われたはずだけどな?』

「…私が無理に仕事に戻ってるんですから、運転手さんを怒らないでくださいよ」

『…分かってる。…今日は、仕事を早く終わらせるから、そこまで迎えに行くから』

その言葉に驚く。

「…過保護過ぎますよ、社長」
『…これくらいは、ちゃんと聞けよ』

「…はい、…社長」
『…ん?』

「…後で、大事な話があるので、聞いてもらえますか?」

『…今、聞こうか?』

「…後で」

『…分かった』

受話器を置き、深呼吸する。

…修二さん、喜んでくれるかな?

私は、1人、胸を躍らせた。

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