優しい上司の裏の顔〜ツンデレ女子を溺愛中〜(おまけ完)
その日の夜は、私を気遣った修二さんが、晩御飯の用意をしてくれた。

御曹司とはいえ、下積みをしっかりして、自分の地位を築き上げ、尚且つ誰に甘える事もなく、1人暮らしをして炊事洗濯もちゃんとこなしていた修二さんは、公私ともに、本当に頼りになる存在だと、身重の体になって痛感した。

「こんなに甘やかされていたら、増々太ってしまいそうです」

妊娠前に比べると、大分体重の増えた私は、ちょっとそこが悩みだったりする。

ベッドの中、私のお腹を気遣いつつ、しっかり抱きしめた修二さんが言う。

「…どこが太ったの?今でやっと標準の体重だろ?俺的には、もっと太った方がいいんじゃないかって思う。麗美は、2人分しっかり食べた方がいい」

「…そんなこと言ってたら、子豚になっちゃいますよ」

そう言って苦笑いする。

「いいんじゃない?俺はそれも嫌いじゃない。抱き心地がよさそうだから」

そう言ってニッコリと笑った。

…切実に悩んでいるのだけど、修二さんにかかると、こうやって丸く納められてしまう。…どんな私も、修二さんは受け入れてくれるんだと思うと、嬉しいのだけど。


「麗美」
「なんですか?」

「俺は、どんな麗美も受け入れられるから、もう、そんな事で悩むのはダメだからな」
「・・・」

困ったように笑えば、修二さんは、私の唇にチュッとリップ音を鳴らし、軽くキスをした。
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