優しい上司の裏の顔〜ツンデレ女子を溺愛中〜(おまけ完)
次の日、私は、今までの私に戻ろうと決めた。

「有藤さん、これ、お願いしてもいいですか?」

いつものように、藤岡部長が私に仕事を頼む。

「…すみません、どうしても今日中に済ませなければならない案件が立て込んでるので、他の人に頼んでください」

無表情にそう答えると、藤岡部長から直ぐに目線を逸らし、パソコン操作を始めた。

「…そうですか、わかりました」

しばし、私を見つめた藤岡部長だったが、溜息をつき、自分の仕事に戻った。

…これでいい。少しでも藤岡部長から離れていれば、私への興味も無くすだろう。

そう自分に言い聞かせた。

…溜まった仕事がなかなか片付かず、お昼も食べず、休憩も取らず、1日仕事に没頭した。

本当は、こんなに急いで仕事を終わらせる必要はない。

…でも、こうでもしていないと、自分の決意が歪みそうで怖かった。

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