優しい上司の裏の顔〜ツンデレ女子を溺愛中〜(おまけ完)
…気がつけば、辺りはすっかり暗くなっていた。

「…ダメだ。集中力が途切れてきた」

溜息をつき、立ち上がると、財布を持って自販機に向かう。

…自販機の傍に差し掛かった所で、私の足は、歩みを止めた。

だって、そのまま足を進めるなんて、私には出来ない。

自販機の前で、藤岡部長と、女子社員が抱き合ってる。

真っ赤な顔の女の子…それを優しい眼差しで見つめる藤岡部長。

泣きそうになるのを必死に堪え、踵を返した私は、オフィスに戻った。

…あの場面を見て、どうしてこんなに心が締め付けられるんだろう。

…。

そっか…。

「…今頃自分の気持ちに気付いてもね」

…涙が頬を伝う。

藤岡部長に見られてはいけない。
片付けもそこそこに、私はオフィスを後にした。
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