優しい上司の裏の顔〜ツンデレ女子を溺愛中〜（おまけ完）

…とは言え、よそ事ばかり考えていられたのは、ほんの数分。

…新條社長の引継ぎをたった3日で、終えなければならない。

テンパりつつも、なんとか頭の中に叩き込んでいく。

「…有藤さん」
「…なんですか？」

書類に目を通しながら、新條社長に言う。

「くれぐれも、一人で仕事を背負わないでくださいね」

その言葉に、書類をめくる手が止まる。そして、新條社長の方を見た。

「…貴女には、優秀な部下が沢山います。…わかりますね？」

その言葉に頷いた。

「無理な事は遠慮せず、部下に頼む事、助けて欲しい時はちゃんと言うこと。今引き継いでる仕事は、部下数人にも言っておきますから、一人では絶対しない事」

「……頼りない部長、ですね」

そう言って苦笑いする。

…すると、私に近づいた新條社長は、私の頬に優しく触れた。

ドキッとして、新條社長から目が離せない。