優しい上司の裏の顔〜ツンデレ女子を溺愛中〜(おまけ完)
「そんな愛らしい顔、部下にも見せてあげてください」

…誰が見せられるか、こんな壊れた顔。


「…藤岡部長、この事は、誰にも言わないでくださいね」

そっと猫を置き、無表情に、そう言った。

…すると、藤岡部長は、フフッと笑った。


「いいですよ、僕と、有藤さんの秘密、ですね」
「・・・」

・・・あぁ、見られたくない所を見られてしまった気がする。

「口止め料と言ってはなんですが、これから、晩御飯一緒に食べませんか?」

そう言ってニコッと笑った藤岡部長。

…断る理由が見つからない。

…仕方がない、これは『口止め料』だ。

そう、自分に言い聞かせて、藤岡部長と晩御飯を食べる事になってしまった。


「どんなものが好きですか?」
「…気取ったお店は好きじゃありません」

きっぱりそう言うと、藤岡部長は、困ったように笑った。

「それじゃあ、僕の行きつけの居酒屋さんに行きますか?」
「…宜しくお願いします」

気取ったお店なんかに、上司と行く事だけは避けたかった。
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