優しい上司の裏の顔〜ツンデレ女子を溺愛中〜(おまけ完)
食事が終わると、新條社長に連れられて、また移動する。

…着いたところは、あの高層マンション。

…なぜここなのか。…ここに来ると、あの日の事を思い出してしまう。

「…あの」

リビングで、私に背を向けている新條社長に声をかける。

…話を聞きたいのだが、勿体ぶって、話してくれない。

「…僕の事で、頭が一杯になりましたか?」

「…え?」

そっと振り返った新條社長の表情は、とても穏やかで、イライラした感情を抱いていた事も忘れてしまいそうになる。

「…僕の事、有藤さんは、どう思っていますか?」

「…私は」

…貴方の事が、…好き。

「…僕は、貴女が入社した時から、ずっと貴女の事が好きでした」

思いがけない言葉に、目を丸くする。
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