優しい上司の裏の顔〜ツンデレ女子を溺愛中〜(おまけ完)
「いつも真面目で一生懸命で、でも、仕事中は、一切表情を表に出さない。…一体、何を考え、思っているんだろう。そう思うようになって、気がつけば、貴女の事が、好きになってました」

「…そんな冗談「…冗談なんかじゃありません。貴女を振り向かせたくて、僕の事で、貴女の心の中を一杯にしたくて」

…とても、真剣に話すその様は、冗談に聞こえない。でも、新條社長は、御曹司で経営者で、私となんて雲泥の差。

…貴方に、釣り合う筈がない。

「…私は、貴方が、好きでした。…振り回されて、いつの間にか、好きに」

俯いて、そう言った。

「…有藤さん」

優しく私の名を呼んだ新條社長は、私を引き寄せギュッと抱き締めた。

「…でも、これから、新條社長とどうかなろうなんて、思ってません」

…泣いてしましそう。…でも、ここで泣く訳にはいかない。新條社長を困らせたくないから。

「…なぜですか?」

私を抱きしめ直した新條社長が問いかける。
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