優しい上司の裏の顔〜ツンデレ女子を溺愛中〜(おまけ完)
部長という言葉に、全くの免疫がない私は、つい、驚いてしまう。

それを見た声の主が、クスクスと笑う。

バツが悪い顔で見上げると、そこには西崎君がいた。

「…おはよう。どうかしたの?」
「…はい、有藤部長が来る少し前に、来客があり、応接室でお待ちです。こちらで待つとおっしゃられたのですが、向こうに通しておきました」

「…そう、ありがとう。すぐに行くわ」

そう言って微笑むと、西崎君が嬉しそうな顔をした。

「…その調子で、どんどん表情出してくださいね。優しい部長なら、部下は幾らでも頑張りますから」

「…からかわないで」
「すみません。でも、本心ですよ」

そう言ってペロッ舌を出した西崎君は、自分のデスクに戻って行った。

溜息をついた私は、席を立ち、応接室に向かう。ドアをノックし中に入ると、そこには驚きの人がいて、足が止まった。

「…久しぶりだな、…麗美」
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