優しい上司の裏の顔〜ツンデレ女子を溺愛中〜（おまけ完）

「突然来てしまってすみません。僕の事、誰だか分かりますか？」

いつもの低姿勢で、晶に話しかける修二さん。

「…勿論です。新條社長ですよね？初めまして、萩原晶です」

そう言って頭を下げた晶。

「上の勝手で、突然の異動をさせた事、申し訳ありませんでした」

「いえ！そんな。…海外事業部は、この会社では、花形的部署です。俺も、一度は働いてみたかったので」

「…そう言って頂けると、安心しますよ。営業部長に、貴方を異動させる事、かなり拒否されましたからね。営業部のエースを捕るなんて、勘弁して下さいって」

…私の取り越し苦労だったのかな。二人は終始笑顔で話しをしていた。

…まぁ、私たちに、やましい関係はないから…元カレという事以外は。

「…所で、有藤さんとは、とても親しいようですが？」

突然そんな話しをふってきた修二さん。
私は思わず息を呑む。…昔の話しなんだから、気にしなくていいはずなのに。

「…大学時代の先輩後輩です」

そう言って晶は微笑んだ。