優しい上司の裏の顔〜ツンデレ女子を溺愛中〜（おまけ完）

《修二side》

今日の仕事がひと段落し、伸びをした。…麗美はもう、仕事を終えて帰っただろうか？

そう思うと、麗美の声が聞きたくなった。週末までは、仕事が立て込んでいて、会えそうにない。だが、声を聞くくらいなら、と電話した。

『…もしもし』

耳元に、澄んで綺麗な麗美の声が聞こえて、疲れていた身体が一気に軽くなるのを感じた。

何の気なしに、麗美にかけた問い。…麗美の声が、微かに上ずりながら、職場の人と食事をしていることを告げた。

「…男？」

『…はい…今日から営業部から異動になった萩原さんです』

その答えに、少し驚いた。職場に来た、初めての男と、食事に行くなんて、麗美に限ってそんな事はしなさそうだし。

…強引に誘われて、断れなかったのか？それとも…。

色んな不安が一気に押し寄せ、慌てる麗美の言葉なんてお構いなしに、居酒屋に向かった。