優しい上司の裏の顔〜ツンデレ女子を溺愛中〜(おまけ完)
「大げさですよ」

そう言いながら、枝豆をつまんだ。

「そんな事ないですよ。…有藤さん」
「…なんですか?」

「…どうしていつも、そんなに無表情なんですか?」
「…」

威厳が保てないから。なんて、言えるわけがない。

「さっき、猫には素直に可愛い顔出来てたじゃないですか」

…猫にだから、です。

「僕にも、可愛い笑顔見せてくれたじゃないですか」

…たまたまです。

「素直に表情を表に出したら、もっと、部下たちと仲良くなれると思うんですけどね」

「…簡単に言わないでください。…私は藤岡部長とは違います」

…女の上司がのほほんとしてたら、舐められる。仕事もまともに出来なくなる。

…私の居場所が無くなりそうで怖い。


「頑張り過ぎですよ、有藤さんは」

…誰のせいだと思ってるのよ。毎日、必要以上の仕事をさせて、苦労してるんだから。

「…僕の前では、素直に泣いてもいいんですよ」

「⁈わ、私が泣くわけないじゃないですか?」
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