優しい上司の裏の顔〜ツンデレ女子を溺愛中〜(おまけ完)
藤岡部長の発言に驚き、声が上ずった。

「…僕にくらい、甘えてください」
「〜〜〜っ!」

ダメだ。この激甘攻撃に耐えられそうにない。

そう思った私は席を立ち、脱走を試みた。

「…すみません!用事を思い出したので帰ります」

「ダメ。…もう少し、ここにいてください」

そう言いながら、私の手をぎゅっと握った藤岡部長。

…そんな、捨て猫みたいな顔をされると、無下にはできない。

私は小さく溜息をつくと、席に座り直した。

「…もう少し、だけですよ」
「ありがとうございます」

そう言って、ニコッと微笑んだ。

…その笑顔で、どれだけの女子社員たちを虜にしたのか。

…でも、私はその笑顔にはやられない。

…私は、藤岡部長に好意なんて抱かない。
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