ホワイトデーの奇跡【完】
今思えば
それは、たった数分の出来事だったのかもしれない。
だけど
私には、そこで時間が止まったように感じていた。
止まった時間の中で
私がずっとずっと思っていたことは
誰か助けてって、ことじゃない。
――全部、誰にも知られたくないっ。
見られたくないって思った。
知られたらどうしようって
お母さんに
お父さんに
たまちゃんに…
そして――…龍平さんに
知られたら、どうしようって。