ホワイトデーの奇跡【完】
「数学は蒼井の方が得意だろ」
『…そんなことっ』
「あるし」
『……そ、そっか』
得意というか、数学は好きだから。
答えが1つしかなくて
はっきりしてるから
解けたとき気持ちがいいんだもん…。
「さくら、何謙遜してんの」
『えっ…してないよっ』
だって、武藤くんが私より頭いいのは事実だもん。
「さくらだって1年のときから10位以内に入ってるでしょ」
『…そうだけど』
10位以内と5位以内じゃ、全然違うよ…。
「あたしからすれば、同じだっつーの」
「まあ、そうだろうな」
たまちゃんの言葉に返事をしたのは武藤くん。
「…ちょっと、あたしはさくらに言ったんだけど」
「ああ、ごめん。つい」
「ついじゃねーよ」
たまちゃん…口悪いよ…。