ホワイトデーの奇跡【完】



「数学は蒼井の方が得意だろ」


『…そんなことっ』


「あるし」


『……そ、そっか』



得意というか、数学は好きだから。

答えが1つしかなくて

はっきりしてるから

解けたとき気持ちがいいんだもん…。



「さくら、何謙遜してんの」


『えっ…してないよっ』



だって、武藤くんが私より頭いいのは事実だもん。



「さくらだって1年のときから10位以内に入ってるでしょ」


『…そうだけど』



10位以内と5位以内じゃ、全然違うよ…。



「あたしからすれば、同じだっつーの」


「まあ、そうだろうな」



たまちゃんの言葉に返事をしたのは武藤くん。



「…ちょっと、あたしはさくらに言ったんだけど」


「ああ、ごめん。つい」


「ついじゃねーよ」


たまちゃん…口悪いよ…。


< 118 / 411 >

この作品をシェア

pagetop