ホワイトデーの奇跡【完】
◇
『行ってきます』
あの日から3年
私は17歳になった。
「おはよ」
『たまちゃん、おはよう』
私の家から歩いて10分のところに住んでいるたまちゃん。
お父さんには女子高を強く勧められたけど
私は迷わずたまちゃんと同じ高校を選んだ。
「さくら、昨日メール忘れたでしょ」
『あー…うん、ケータイの画面見てたらうとうとして寝ちゃった。ごめんね』
「寝る前はメールする約束でしょ」
『う、うん。ごめんね』
「はあっ、いいよ。あんま心配させないでよね」
『…うん、ありがとう』
背の高いたまちゃんが、私の頭を上から優しく撫でる。