ホワイトデーの奇跡【完】
1ヶ月前の2月14日。
私は、1年の片思いを経て、
勇気を出してチョコレートを渡した。
告白なんて、もちろん出来なかった。
14歳の私には、
下手なラッピングに包まれた手作りチョコを渡すだけで精一杯だった。
だってきっと…ううん、絶対。
私のチョコなんて、たくさんあるチョコのうちの1つに過ぎなかったと思う。
それでも、彼は…。
“えっ、俺にもあんの?うわっ、すげー楽しみ”
そう、笑顔で受け取ってくれた。
それだけで、十分だと思った。
来年、また頑張ろうって、思うことが出来た。
そして…来年こそはって…――