ホワイトデーの奇跡【完】
「なんか、青春だね」
『……ええっ』
武藤くんの言葉に、足が止まった。
「家まで女の子と帰るって、青春でしょ」
『……そ、そうなの?』
武藤くんは、不思議な人だから。
ポーカーフェイスで、突拍子もないこを言う。
「しかも、蒼井みたいなかわいい子と帰れるとは」
『…っ…』
「これって、手でも繋ぐべき?」
『……っな』
「それとも、どっかでキスでも…」
『む、武藤くんっ!』
なに、言ってるの!?
そんな、こと…真顔で言われても。
恥ずかしくて、全身がカァーっと熱くなった。