ホワイトデーの奇跡【完】
「蒼井の考えてることはなんとなくわかるよ」
『……』
「確かに嫌なことが顔に出たら、相手も嫌な気持ちになるかもだけどさ」
『…うん』
「その反対もあるってこと忘れてない?」
『…反対?』
「蒼井が嬉しいことが分かると、相手も嬉しく思う」
『…ぁ…』
「悪いことばっかり怖がってたらさ、良いこと見失ってもったいなくない?」
『………うん』
「それにときにはさ、嫌だ、怒ってるぞってことを相手に見せることも大事だと思う」
『……でも』
「それで蒼井のこと、何だこいつって思って離れていくような相手だったら、それまでってこと」
『……』
「今、蒼井の周りにいる人って、そんな人?」
『そんなことないっ!』