ホワイトデーの奇跡【完】


「蒼井の考えてることはなんとなくわかるよ」


『……』


「確かに嫌なことが顔に出たら、相手も嫌な気持ちになるかもだけどさ」


『…うん』






「その反対もあるってこと忘れてない?」





『…反対?』





「蒼井が嬉しいことが分かると、相手も嬉しく思う」




『…ぁ…』


「悪いことばっかり怖がってたらさ、良いこと見失ってもったいなくない?」


『………うん』


「それにときにはさ、嫌だ、怒ってるぞってことを相手に見せることも大事だと思う」


『……でも』


「それで蒼井のこと、何だこいつって思って離れていくような相手だったら、それまでってこと」


『……』


「今、蒼井の周りにいる人って、そんな人?」








『そんなことないっ!』















< 210 / 411 >

この作品をシェア

pagetop