ホワイトデーの奇跡【完】
「蒼井」
『…ん?』
「あんまり見つめると、キスするけど」
『……なっ!』
ボンッ――という音と共に、私の顔は真っ赤に染まった。
あたふたする私の姿を見て“ふはっ”と、とうとう吹き出した武藤くん。
私…完全に、からかわれてる…。
「あー…やばい、すっごいかわいい」
『うぅ……ひどいよ…武藤くん』
「何で?あ、本当にしてほしかった?」
『違うよっ!』
「わかった、目閉じて」
『ちょっ、む、武藤くっ』
武藤くんが、ジリジリと近づいてくる。