ホワイトデーの奇跡【完】
「…やっぱ甘い」
『……っ~~~~!!』
武藤くんがまた“ふはっ”と、笑った。
私は咄嗟に、おでこをバッと押さえて、声にならない声を武藤くんに向けた。
武藤くんの唇が、私のおでこに触れたんだ。
「でも、嫌じゃなかったでしょ?」
『…っ』
「俺、女に興味ないからさ」
『…へ?』
「あ、だからって男が好きってことじゃないから」
『…う、うん』
「下心ないから安心していいよ」
『……は、はい』
武藤くんは、謎すぎる。