ホワイトデーの奇跡【完】
「なるほど!さくらちゃんの説明わかりやすいよーありがとう!」
『あ…うん、どういしまして』
同じ衣装担当の亜美ちゃんに褒められた私は、恥ずかしくて俯いてしまった。
衣装担当は、私と亜美ちゃんと百合ちゃんの3人。
「でも~びっくりしちゃったアタシ」
『えっ?』
隣でボタンつけの作業をしていた百合ちゃんが、ニヤッと笑いながら私に詰め寄ってきた。
「さくらちゃん、夏休み明けてから、急~に別人みたいなんだも~ん!」
『えっ…そうかな?』
そんなに、変わってないと思うけど。
「あ、それ私も思った!あんなにたま子ちゃんとべったりだったのにさ」
亜美ちゃんも、ミシンを動かしていた手を止めて話に加わる。
『……あ』
「あっ!ごめんねっ…その、悪い意味じゃなくてね、その…なんか、さくらちゃん逞しくなったっていうかさ」
『えっ』
亜美ちゃんの言葉に、俯いていた顔を上げた。
逞しくなった?私が?