ホワイトデーの奇跡【完】


お酒とタバコの匂いが混じった香りが、私に迫ってきた。


どうしていいかわからなくて

後ずさる私を



龍平さんは逃がしてくれなかった。








「さくら」



『きゃっ』





バタッ――


それ以上後ろに下がれずに

ついていた手が滑って

ラグの上に体が倒れた。















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