ホワイトデーの奇跡【完】
◇
次の日の朝――
玄関のドアを開けると、いつも立っているたまちゃんがいなかった。
しばらく待ってはみたものの
学校の時間に遅れそうになった私は
一人で学校まで向かった。
教室に着くと、たまちゃんに姿はなかった。
「蒼井、おはよ。珍しくギリギリじゃん」
『あ…うん、おはよう』
「あれ、おかーさんは?」
『えっと…今日はちょっと』
武藤くんの返事に言葉を濁していると
朝礼が始まった。