ホワイトデーの奇跡【完】




“こいつ愛想ないだろ?でも悪い奴じゃないからさ、たま子と友達になってくれてありがとな”



嬉しそうに、私の顔を見て。


たまちゃんと同じ

瞳の形のせいで少しキツく見える顔を

くしゃっとさせて笑った。




その笑顔が、すごく素敵で…

最初の印象は、羨ましいなって。

私も、龍平さんみたいなかっこよくて優しいお兄さんがいたらなぁって思った。




それから

私が遊びに行くと、いつも笑顔で迎えてくれて。



“ケーキ買ってきたぞー”


優しくしてくれて。




“はあ?からかわれた?よし、一発しめとくか”


心配してくれて。




“危ないって!こういうのは、俺がやるから”


守ってくれて。




“さくらの浴衣は桜柄か…うん、やっぱすげーかわいい”


かわいいって…言ってくれて。





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