ホワイトデーの奇跡【完】
「でも、その反面……悔しかった」
『……どうして』
「さくらが元気になって、強くなってく姿見て、嬉しかった。安心した…けど」
『龍平さ』
「俺じゃなかった。さくらを元気にしたのも、強くしたのも、前を歩く背中を押したのも…全部俺じゃなかったっ」
『…それはっ』
「俺の知らない間に、俺の知らないところで、さくらがって…思うと…なんでだよって…何でっ!!」
拳を強く握り締めて、歯を食い縛る龍平さん。
その顔に…なぜか、見覚えがあった。
どこだろう…私…。
どこで…その顔を…。