ホワイトデーの奇跡【完】




「でも、その反面……悔しかった」


『……どうして』


「さくらが元気になって、強くなってく姿見て、嬉しかった。安心した…けど」


『龍平さ』






「俺じゃなかった。さくらを元気にしたのも、強くしたのも、前を歩く背中を押したのも…全部俺じゃなかったっ」






『…それはっ』





「俺の知らない間に、俺の知らないところで、さくらがって…思うと…なんでだよって…何でっ!!」






拳を強く握り締めて、歯を食い縛る龍平さん。


その顔に…なぜか、見覚えがあった。




どこだろう…私…。


どこで…その顔を…。




< 348 / 411 >

この作品をシェア

pagetop