ホワイトデーの奇跡【完】
「ずっと…この3年間、後悔ばかりしてた」
『……』
「側にいたかったよ…誰よりも」
『………龍平…さ……』
その顔を、見ると、ズキズキと心が痛むのは。
龍平さんの心が、嫌でも伝わって来るから。
私は、大きな勘違いをしていたんだ。
龍平さんは、私の知らない龍平さんなんかじゃない。
龍平さんの後悔は
歯を食い縛る姿は…全部、あの日のままだ。
時間が、止まっていたのは私だけじゃなかった。
お母さんも。
お父さんも。
たまちゃんも。
私が大きく動き出すと、歩き出したように。
龍平さんもまた…
止まったままだったのかもしれない。