ホワイトデーの奇跡【完】
どれくらいそうしてただろう…。
やっと泣き止んでくれた、たまちゃんの目は真っ赤だった。
表情はだいぶ冷静になっていて。
呼吸の乱れも、落ち着いていた。
「ごめん…もう、平気」
酔いも冷めたのか
いつもどおりのたまちゃんに戻っていた。
「さくら…」
『…うん?』
たまちゃんの顔は真っ直ぐすぎるほど私を見据えてて、なんだか少し緊張した。
「落ち着いて、聞いてね」
『えっ…うん?』
何だろう…。
たまちゃんは、何か大きな決意をしたような目をしていた。
私は、ドキドキしながらたまちゃんの言葉の続きを待った。