ホワイトデーの奇跡【完】





心臓の音が…止まったかと思った。

たまちゃんの言ってる意味がわからなくて。

呆然とする私を、たまちゃんがグッと歯を食いしばって見てくる。




「あたしっ…心配だった」



『……』



「さくらは中1だし、にいは大学生だったし…さくらのことからかってるんだって…ふざけんなって思って」



『……』



「さくらのこと傷つけてほしくなくてっ……さくらに言わなかった」



『………冗談…だよね』



「でもっ…にいは…ちゃんとっ、さくらのこと真剣に思ってた」



『たまちゃん…ねえっ…』



「あたし……にいにも、さくらにもっ…」



『……ねえ……聞いて…?』



たまちゃんの言葉が、他人事のようにきこえていた。


龍平さんが…私を?


そんなこと……あるわけない。

絶対……


だって





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