ホワイトデーの奇跡【完】
テスト期間、たまちゃんと泊まりで勉強をしたこともある。
でも、それはいつも私の家で。
たまちゃんの家に泊まることは…あの日以来なかった。
理由は…お互い、言わなくてもわかってる。
「今日、家の中あたししかいないからさ」
『えっ…たま美さんは?』
たま美さんというのは、たまちゃんのお母さん。
名前と同じく、見た目もそっくり。
たま美さんとも…龍平さんと同じくらい、会わなくなった。
「今日夜勤だから、今は家にいるけど。21時くらいから明日の朝までいないの」
『…そうなんだ』
看護師さんのたま美さんにも
入院してるとき、すごくお世話になった。
「にいは、仕事からそのまま将太くん家泊まるって言ってたから…いないよ」
『……そっかぁ…』