ホワイトデーの奇跡【完】


不自然な気配を背後に感じたときには

もう、全身の血液がサッと引いた後だった。



『…っ…ぁ……あ……っ…』



喉がカラカラになって、

唇が、恐怖に震えた。



視線をゆっくり下げると

ごつごつした浅黒い手が首元に


そして、その手には

鋭利な刃先が握られていて

今にも自分の首に刺さろうとしていた。





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